うまさら日記 てぶらであるいてる

 日本にきて、2週間がたった。

タイで、のびきった脳みそもカラダも

日本のさむさで、ちぢこまっている。

 

この件があって

いちばん気がかりだったのが、

以前からご注文いただいていた

クラウドファンディングのリターンギフト、

「オリッサの香りスパイス」が

ちゃんと期限までにお届けできるか、

ということだった。

 

タイにいる間、

バンガロールに戻れなくても

作業ができるように、

あらかじめ

インドのオーガニックスパイス通の友だちに、

必要なスパイスを

日本に送ってもらえるよう

お願いしていた。

 

商売をしている彼女は

すぐに、わかったと、

パキパキと事をすすめてくれた。

たすかった。

 

そのスパイスが届くまでの間に、

スパイスに添えるレシピ4品の

作成と撮影をするため

日本に到着した次の日から、

うごきだした。

 

埼玉の郡がつく小さな町で、

スパイスは手に入るのか?

定番のクミン、ターメリックはあると思う。

でも、ブラウンマスタードシードは?

フェネグリークは?

フェンネル?ニゲラは?

 

スーパーに行くと、

クミンある。ターメリックある。

おどろいたことに、

日本にいたとき愛用していた

vox spiceの

オーガニックブラウンマスタードシードが

一袋だけある。

やった。

 

あとのスパイスはない。

そうだ、

花好きの親が、

ニゲラの花の種をもっているかもしれない。

聞いてみると、

あるとのこと。

よしっ。

 

日本であまり馴染みのないニゲラシードも、

スパイスとしては知られていなくても、

花の種としてはポピュラーなんだな。

 

他のスパイスはどうしよう。

ネットで注文しようか。

1〜2日中に撮影したいのになあ。

 

ふと、そういえば、

どんな町でもインド料理屋ってあるよねと

思いたち、さがしてみる。

あった。

 

スパイスを売ってもらおうことにしよう。

 

「日本なのに、なんでインド料理なの〜」と、

ダダをこねる子どもたちをなだめつつ、

ゾロゾロひきつれて

訪ねてみると、

 

奥さんが日本、ご主人がニューデリー出身の

ご夫婦が営むカレー屋さんだった。

 

お昼どきで大盛況のなか、

すみませんが、もろもろありまして、

スパイスを買わせてくださいと

頼んだところ、

販売はしないとのこと。

 

いや、のっぴきならない事情なんですと、

詳しく説明すると、それはそれはと、

インド人シェフに話してくれて、

ほしいスパイスが全部入った

スパイスミックスをいただいた。
ありがたい!

 

インドレストラン ラジュモハンさん

 

味にも異文化にも保守的だろう、

この小さな町で、

お店を開いてから15年になるそうだ。

 

日本人の舌にあわせた

スパイスも油もひかえめな

人気のカレーを食べながら、

これから日本で仕事をしていくうえでの

ヒントをわけてもらったような気がする。

 

子どもたちは、

バンガロールでは見たことがない、

ふかふかのナンをよろこんで食べていた。

 

いただいたスパイスで、

早速、料理を作って、写真撮影。

「オリッサの香りスパイス」でつくるDal Soup

 

「オリッサの香りスパイス」でつくるキャベツとじゃがいものサブジ

 

インドにいる友だちに、

文字と写真のデータを送って、

レシピのデザインをお願いした。

話しがスラスラと通じ、

いつも思っている以上のものを作ってくれる彼女。

こころづよい。

 

その彼女から、

ラベルの写真の解像度があまりよくないので、

手漉きっぽい紙に印刷した方がいいのでは

というメールがはいった。

 

はい、はい、ありますよ。

インド産の手漉き紙が。

冷え冷えのバンガロールの空港に、

24時間ほどいた時に、

空港内の売店をぶらぶらしていたら、

 

以前、

ラベル用に気に入って使っていたけれど、

もう手に入らなくなった手漉き紙のノートが

一冊だけ売っていたので、

買っておいたのがありますよ。

ほほほっ。

 

包材は、日本にいたときに、

お世話になっていたパッケージ業者に注文したら、

2日後に送られてきた。
すごいね。ジャパンスピード。

 

インドで、

包材を手に入れるのはひと苦労だった。

送金したのに、

銀行が送金額をまちがえたので

パッケージ業者が認識できず、

いつまでも話しがかみあわなくて

包材が送られてこないこともあったなあ。

とおーい目。

 

そうこうしているうちに、

インドからスパイスが届いた。

 

手書きの宛名の字から、

友だちの体温が伝わるようで

何回も読んでしまう。

いや、感傷にひたっている場合ではない。

 

スパイスの作業をし、

パッキングをし、

レシピをプリントアウトして、

無事納品。

あーよかった!

 

ハラハラさせてしまった

オディシャビエンナーレの主催者のみなさま、

どうもすみませんでした。

よい機会を与えてくださり、

どうもありがとうございました!

 

ひさしぶりに、

日本の食材でレシピを作ってみると、

ずいぶん、

インド寄りのスパイスづかいになっていることに気がつく。

 

日本の

食材、空気、水にあう

スパイスづかいは、

インドのつかい方とはちがってあたりまえだなと、

あらためて思う。

 

いろんな方にお世話になって、

お届けすることができた、

この「オリッサの香りスパイス」。

 

いまは、

お財布ももたず、

スマホだけポケットに入れて、

てぶらで人生をあるいているような風だけれど、

 

たすけてくれる友だちや家族のおかげで、

毎日おいしいごはんを食べているし、

よくねむってるし、

仕事もできた。

 

前後左右を見わたすと

なんとも「あいよー(カンナダ語のあちゃーみたいなことば)」な状況だけれど、

たよれる人にめぐまれているということは、

「あいよー」を吹き飛ばす力があるなと

思っている。

 

日本で、

本格的にスパイス販売を

再開することになったら、

 

「ケララの香りスパイス」

「クールグの香りスパイス」

「ゴアの香りスパイス」など、

わたしが土地、土地で出会った

スパイスミックスも、

わかりやすいレシピつきで

販売しようかと思っている。

 

そのときは、どうぞ買ってください。

いつまでも、

財布をもたないで歩く勇気はないので、

よろしくお願いします。

 

spice+arts (スパイスアーツ)
やましたのぶこ