うまさら日記 なんにもない、わけではない。

かなりあけました。

ことしもよろしくお願いします。

 

インド押し出しばなしも、

スパイスがきいていておいしいなと

おもいはじめている

ニューイヤーです。

 

いまだになんとなく

インドと日本のあいだを

ふらついているような感じもするので、

異次元のドブに落ちないように、

ジャパンの土地を

踏みしめるように

がっしがっしと、

よくあるいている。

 

そんな風にしているうちに、

あたまもだんだん動きはじめてきた。

 

さあ、日本でなにやろう。

 

あたらしく住みはじめた家を

ながめていると、

なんかできそうだなと思う。

 

でも、なんにもそろってないな。

 

中2のむすめに

「もうすこし落ちついたらなんかやろうかな」というと、

「なにいってんの?3ヶ月間さんざんやすんでたでしょ」

、、、。

そ、そうですかね。

あんがい怒涛の日々だったんですけどね。

ま、やすんでたかな。

 

わたし「ワークショップっぽいことやるにしても、皿とかないよ」

むすめ「もってきてもらえばいいじゃん。

スプーンだって、インド流だって言って、手たべでいいじゃん」

 

わたし「テーブルもちいさいんだけど」

むすめ「床に布敷いてすわれば、インドっぽくて受けるよ」

 

わたし「ナベも小さいなあ」

むすめ「ナベもガスコンロも持参でもってきてもらえば?

そのまま夕飯のおかずにもって帰えれるし」

 

わたし「でもさ、インド料理最近つくってないからなあ。これからどんどんつくるから食べてね。」

むすめ「いや、それマジムリ、まだいいわ」

 

そこはそうなのね。たべあきたらしい。

 

むすめ「っつうか、マジうざいんだけど、いっつも私に言ってることとちがうじゃん。

やりたかったら、どうやったらやれるか考えたらいいんじゃないの?」

 

すごっ、

学校に行きはじめて、

1週間でわかい人の日本語を

マスターしてる。

 

でも、

そのうざいんだけどは、

ちょっと語尾を伸ばした方がいいかな。

と、注意しつつ、

そうね、マジうざいなとわらえた。

 

インドに行くときに、

ほとんどの家財道具は、

あげたり、

捨てたりした。

 

ただ、夫の実家に、

テントや寝袋など、

キャンプ道具は預けていた。

 

それさえあれば、

帰ってきても、

テント生活で何とかなるのではないかと

思っていたのだ。

 

冬に帰ってくることなど、

ソーゾーしていなかった。

 

いや、それ以前に、

夏に帰ってきたって、

テント生活はどうでしょう。

 

まあ、だから、

キャンプ用の調理器具などはあったので、

よかったんですけどね。

 

この、そろってない今だから、

ちょっとやってみたら、

ぽろっとおもしろいことが

はみだすかもしれないな。

 

なんにもないけど、

やりたいことは、

ぷつぷつと湧いてきている。

これがあるなら

だいじょうぶ。

あとは形にしていこう。

 

友だちにお願いしていた、

オーガニックのアタ(チャパティとか作る全粒粉)も、

タマリンドも、

豆もインドから届いた。

 

 

いま日本で、

インドの食材はびっくりするくらい手に入るけど、

オーガニックものは手に入りにくいから、うれしい!

 

インドの人たちは、

アタに対する思い入れが強い。

ここのアタでなくてわというのが、

それぞれにある。

 

水と塩しか使わないシンプルなチャパティ(無発酵薄焼きパン)は、

アタの味がチャパティのおいしさを決める。

上質のアタは、

水と混ぜただけで、

気泡がでてきて、

少し置くと

発酵しているかのようにふっくらしてくる。

 

久しぶりにチャパティたべたいな。

湧いてきたぷつぷつを育てながら、

チャパティやプーリーなど、

粉もののおさらいをしよう。

 

 

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やましたのぶこ

うまさら日記 うらしま太郎になりかけた話とか

日本に帰った次の日

朝おきて鏡をみると

目のまわりがシワだらけで、

急激に歳をとったようだった。

 

ひさしぶりの

日本のさむさのせいなのか、

精神的なもののせいなのか、

それとも

蛍光灯の明るさが

真実をうつしだしただけなのか、

わからないけれど

それにしても

すごい歳のとりかただ。

 

なんだかそれは、

インドにいた3年半、

ふつうの時間の流れから

はみだしたときをすごしていて、

日本に帰ってきたら、

そのはみだした部分が

ふつうの時間に追いつこうと

急速にすすんだかのようだった。

 

まいったなあ。
玉手箱をあけてないのに。

 

10日くらいして、

もとに戻ったけれど、

いや、

戻ってないじゃないかと言われれば、

そうです。

インドの紫外線はきつく、

何のケアもしていませんでした

ということになるんだけれど、

でもそれなりに

見なれた自分の顔になった。

 

**

 

先日、

ひさしぶりに

富士山を目の前で

ドーンと見たくなって

家族ででかけた。

 

車の後ろに座る子どもたちは、

あきらかに大きくなっているし、

3年半ぶりの夫の運転は

ぎこちなかったけれど、

 

でも、

インド移住前のノリシロと

帰国後のノリシロが、

そのあいだのインドで過ごした時間を

忘れたかのように

ピタッと貼りついていく。

 

どうしてこんなに、

記憶の距離がちかいんだろう。

 

うまれ育った国での、

根のはりかたは

途中ばっさり枝ごとどこかへ行っても

すぐに接ぎ木できて、

また、そだっていくような

そうとうなチカラがあるんだな。

たまたまこの国にうまれたってわけでもなさそうだね。

 

**

 

日本での生活がはじまって、

お店や、

色んな手続きのことであう人たちの

ていねいさは、

ちょっとすごいなと思っている。

 

かしこまりが幾重にも

織り込まれているようで、

こちらまで、

カシコミカシコミと

力が入ってくる。

 

カシコミはカシコミを

よぶ。

 

わたしだって、

そうするときもあるけれど、

でも、やりすぎは、

あたまも手足も

うごきがとりにくくて、

さぞや急な

ギャグに応えにくいだろうなと

思ってしまう。

 

そう感じるのは、

かの国で、

はなをほじりながら接客をする人や、

ニコリともせず商品を放って渡す人に

なれてしまったせいかもしれない。

 

来年はというか

これからは

友だちではないような人とも、

なるべくカシコミすぎず、

でも

はなはほじらないていどに

つきあっていきたいな。

 

**

 

あたらしく住みはじめた

家の台所は、

対面式ではないので、

居間にいる家族に背をむけて、

ごはんをつくっている。

 

タイに20日間

滞在していたときは、

ほとんど毎日外食だった。

 

外食といっても、

たいがい宿の近くの

気に入った小さな食堂の何軒かの

いずれかで、

麺やごはんものやおかずなど、

こまごまと頼んで食べていた。

 

そういうところの

小回りがきく

ちいさな調理場は、

たいがい、

道に面した店の入り口あたりにあって、

もち帰りのお客さんの注文にも

すぐにこたえられるようになっている。

 

テーブルで待っているあいだ、

料理をつくる

おばちゃんやおじちゃん、

おねえさんやおにいさんの

よくうごくうしろすがたを

ながめていた。

 

何を食べてもおいしい兄妹の店

 

 

チャーハンがおいしい店

 

使いこんだ中華鍋をふるすがたや、

ムダのない料理手順、

皿に盛るようすなど、

なれた手つきで、

小さなお店を

ひとりやふたりで、

切り盛りしているようすをながめながら、

ああ、ごはんをつくりたいなあと

おもっていた。

 

わたしの背中をみながら、

子どもたちは、

ああ、なんかごはんつくりたいなと、

思うかどうかは、

わからないけれど、

 

なんとなく

おかあさん

いつも台所でもぞもぞやってるよねと、

思われながら

ごはんをつくっていきたい。

 

そしてそこには、

もくもくとよくたべるひとたちが

いてほしい。

 

来年はどういう年になるかは

わからないけれど、

ごはんをつくって

たべることを中心に

何かがうごいていくような気がしている。

 

インド大学の卒論も完成させましょう。

中退ですけど。

 

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やましたのぶこ

 

うまさら日記 おかしな1年

今年は、

なんだかおかしな年だった。

 

およそ2か月間で、

人生の方向が

くるっとかわっていった。

 

インドをむいて座っていたはずなのに、

すごい勢いで

ぐるっと

回転イスをまわされたように

日本に住みはじめている。

ムチウチになっちゃうかと思ったよ。

 

ん?

でもホントウにそうなのかな?

急にかわったと

思っているだけで、

ホントウのところは

人生の踊り場で

勝手に

てんてこ舞いしていただけ

なのかもしれないな。

 

いつもだいたい、

年末には、

いろいろあったけど、

いい年だったよねと

キラクにふりかえることが

多いけれど、

ことしもそうかというと、

うーんと、

口ごもってしまう。

 

だからといって、

わるいというかんじではない。

ただ、

おおきなものに流されたような

ふしぎな1年だった。

 

 

ひさしぶりに

東京ぐらしとなり、

駅からずいぶんはなれた

ふるいウチに

家族で住みはじめている。

 

家のもち主は、

料理好きらしく、

台所の横に

料理がしやすいように

増築されたスペースがあり、

何人かで一緒に

ごはんをつくれるくらいの

広さがある。

 

あれ?

なんかできちゃうかもなと

考えていたら、

インドから

思っていたよりも

ずいぶん早く

荷物がとどいた。

 

ていねいに

パッキングされた

包みのなかに、

インドで買った

調理器具や料理本が、

予想以上に

たくさんはいっていた。

 

それは、

わたしたちのかわりに、

インドの家を

片づけてくれた友だちが、

日本へと

ものものを

送ってくれたからなんだ。

 

たいへんな作業を

引き受けてくれたことは、

一生ではなく、

何生も

おぼえておくよ。

 

とどいた荷物を

ながめていると、

ここでやっていくことの

輪郭が

すこしずつ濃くなっていく。

 

 

インドに育ててもらった

マサラソウルを

どういう風に味つけしていくかは

まだわからないけれど、

そしてそれは、

すぐにではないかも

しれないけれど、

 

なにかやっていくことに

なりそうだなという、

予感が

あぶりだされてくる。

 

 

3年半のインドと

その後のタイ、

日本での仮住まいの

2カ月間がおわり、

いまは

ながい旅から

無事帰ってきたような

ゆっくりとしたきもちで、

ひたすら

ごはんをつくっている。

 

日本での生活の

いろいろを

思いだすように、

ごはんをつくりつづけている。

 

さーて、

インドへの想いを

小さくたたんで、

ポケットに入れて、

今年を終えます。

 

ときどきとりだしては、

匂いを嗅いだり、

ながめたりしつつ、

日本での生活を

はじめていきますよ。

 

ことしもありがとう。

らいねんも

うまさらな日々は

つづくよつづく。

 

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やましたのぶこ

 

うまさら日記 サイアムカルダモンだもん

日本での生活をはじめるために、

やることは

山のようにある。

 

それに、

インドとのやりとりや、

お願いしてやってもらうことも

山のようにある。

 

それでも、

息つぎのようなあいまで、

タイで食べたものを思いだしながら、

アタマのなかで

つくりかたを紐といている。

 

ふだんは、

しれっとヴィーガン料理を

お伝えしているけれど、

ヴィーガンかと言われれば、

いえ、とんでもないです。

ただ、やさい料理が好きなだけですと、

あとずさりする。

 

そのうえさらに、

どうぶつあいごだとか

しそー的にどうとかということになると、

そんな、

めっそうもないですと、

さらにザザザッと後ろへさがる。

 

ただ単にそのカンタンさが、

ふだんの生活の具合と

ちょうどあっていいという

ただそれだけのことでしかない。

 

もともと、

ひとつのことを突きつめるというよりは、

散乱したカケラを

ひろい集めて

つなげて

自分のすきなカタチに

していきたいほうなので、

 

なになにガンとか

なになにアンとか

なになにイズムみたいなのは、

居ごこちがわるくて、

ムズムズしてしまう。

 

そういうことは、

しっかりした人におまかせしたい。

 

そんなふうなので、

旅先で、

いままで食べたことのない食べものと

目があうと、

肉でも魚でも

なんなら虫だって

たべることへの躊躇はない。

 

たとえそれがおいしくなくても、

それをおいしいと感じる

その舌のちがいに

シンシンと興味がわく。

 

今回のいわくつきのタイ旅で

シンシンの針が

大きく振れたのは、

ココナッツミルクで

あまく炊いたもち米に、

切った生マンゴーを添えたデザート、

「カオニャオマムアン」。

 

テイクアウトのカオニャオマムアン

タイには何回も行っているけれど、

だいたいいつも

おなかがいっぱいなので、

デザートまで手が届かない。

届いたとしても、

そこからもち米を食べようという

気にはなれない。

 

今回は、

思いがけず長期滞在だったので、

少しはおなかに余裕がある日もあって

ようやく食べることができた。

 

インドの、

ご飯を牛乳で煮た甘いデザート

「キール」に抵抗がない人なら、

いける味だと思う。

食べずぎらいがいるだろうなと予想される。混ぜた図。

 

はじめてのスパイスもみつけた。

以前、

タイの南の方を旅したときに

食べた

「マッサマンカレー」を、

味の記憶が

あいまいだったので

あらためて食べてみる。

 

カルダモンやシナモンが

きいていて、

フレッシュハーブを多用する

ほかのタイカレーとは

味のふんいきがちがう。

 

おぬし、

インドから

流れついてきたなという匂いが

プンプンする。

 

その足で本屋に行き、

タイ料理の本を読むと、

カルダモンは、

グリーンカルダモンではなく、

「サイアムカルダモン」という、

タイ産の

皮が白っぽい丸型のカルダモンを使うと

書いてある。

 

それは手にしてみなくてはと、

その足のその足で

「サイアムカルダモン」を

見つけにいく。

あった!

味はというと、

ホールズのような、

メントール感が強い。

 

これ、柑橘系との相性がよさそう。

ホットレモンとあわせても

おいしいんじゃないかな。

 

その足のその足のその足で

サイアムカルダモンが

実っているところを

みてみたいなあ。

 

そのまえにまずは、

引っ越し。

息つぎが、おおいですが、

おぼれない程度に

すすんでいます。

 

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やましたのぶこ

うまさら日記 「ただいま」

ただいま。

インドにはもう帰らないことにしたので、

ようやくはっきりと

「ただいま」が言える。

 

こんなことになる少し前、

いま、学校の最終学年の娘の行く先を

考えていた。

 

もうインドではなく、

ちがう国に行くといいはる娘。

インドにいたいヒト。

インドをでたいヒト。

家族4人それぞれの意見がちがうので、

どうしようかと悩む。

 

インドか日本か、

それともちがう国か。

別々に暮らすということもふくめて悩む。

 

なかなか決められないまま、

日々はすぎていく。

インドにいるのなら娘の学校を

さがし始めなくてはいけない。

 

うーん、こまった。
どうしよう。

家族みんながいいと思える場所は

どこだろう。

 

こうなったらいつもの手。

どこに住んだらいいか、

はっきりとおしえてほしいという想いを、

くるくるっと丸めて空に放った。

 

そうだ。放ったんだった。

 

そうしたら、あれれ?
インド行きのシャッターが

目の前でガガガーっとしまってしまった。

こんなにはっきりとした形なの?

 

いやいや、

ホントお手柔らかにお願いしますよ。

 

インドから追いだされた当初は、

こちらはわるうないから、

わるうないという証明さえできれば、

すぐにインドに帰れると思っていた。

 

いままで、

インドで何度となく、

ムリかもと思うようなことも、

ギリギリのスキマを

すり抜けてやってこれたから、

今回のことも、

インドはどうにかしてくれると

思っていた。

 

 

でも、

なんだろう、

このかんじ。

 

やってもやっても、

押しもどされるこのかんじ。

 

イクナイクナと、

スカートのすそを、

太い足で踏まれたように

前に進まない。

 

それでも、

イクノヨイクノ。

イカナクテワナラナイノヨと

スカートが破れるくらい

ムリやりうごいたけれど、

それでも前に進まない。

 

 

インドで何か大ゴトが起きるとか

そういうことではなく、

わたしたち家族の行く方向は、

ソッチじゃないよと、

引きとめられているような気がした。

 

 

それはもしかしたら、

自分を納得させるための

口実なのかも

しれないけれど。

でもそんな気に乗った。

 

 

あれもやりたかった

これも食べたかったと

のこる思いはいろいろあるし、

友だちのことを思うと、

恋しくて泣けてくる。

 

だけど、

インドに3年半すんで、

ナミナミとたのしんだし、

それはもう、よく食べて、

ずいぶんと育ててもらったので、

もうココロもおなかも

パンパンだ。

 

いやっ、

ただひとつ

悔いが残ることがある。

 

さいごに

インドで、なにを食べたっけ?

と思いだしてみたら、

空港の

ブリトーだったんだよね。

 

こんなことになるとは、

つゆしらず

アメリカチェーンのブリトーを

食べたとは。

 

あーん、

ドサ(南インドの軽食)にすれば

よかったー。

 

それはともかく、

インドには、最後に大声でいいたい。

 

ごちそうさまでした!

ありがとう!

 

インドで近所だったお店のお気に入りのカリカリふわふわヴァダ。テイクアウトもできる。

 

 

spice+arts(スパイスアーツ)
やましたのぶこ